アルプスからパンノニア低地のはずれまで

シュピク連峰はアルプスの中でも最も美しい連山で、トリグラウ国立公園内の最も自然の損なわれていない地域である。

 アルプス山脈は、その南東の端の石灰岩地帯でスロヴェニアに達し、山壁は白っぽい灰色で、 多種多様の植物が生育しています。  西に位置するユリアンアルプスはトリグラウ山(トップページ参照:地図A2)へとつながっています。 1981年にはこの最高峰を取り巻く一帯が国立公園に指定されました。ヴラータから見る トリグラウ山の北壁は絶景の一つでしょう。
 ユリアンアルプスの東の端に位置するブレッド湖地図A2)はその中ほどに島が浮かび、絵に描いたように 美しく、この一世紀の間国際的な観光地になっています。
 近くのボヒーニ町を通り、氷河期に形成されたボヒーニ湖地図A2)を過ぎると、トリグラウ山の南壁につながる登山道です。 トリグラウ山の西側は人を寄せ付けない荒々しい自然が残る地域です。ここでは急峻な山々が一気に千メートル以上も 下方のソーチャ川へと渓谷を形成しています。ソーチャ川(地図A2)は、全アルプス山脈の中で最も人に汚されていない五本の川の 一つです。支流から本流へ流れ込むところでは70メートルもの深さになり、所によっては僅か1メートルの川幅で力強く うねって流れています。この支流にはスロヴェニアで最大の高さ106メートルのボカの滝があります。この滝の少し南の方に トルミン地図A2)というこの地域の唯一の町が有ります。
 スロヴェニアとオーストリアの国境にはカラヴァンケの峰が横たわり、その南にはスロヴェニアで最も人口が集まる リュブリャーナ盆地(地図B3)が有ります。ここには、首都リュブリャーナを始めクラーニ地図B2)、ドムジャーレ(地図B3)、カムニック地図B2)等経済的な 中心都市が集まっています。
 リュブリャーナ盆地を南東の方へ向かっていくと、地形は起伏の緩い連続した丘に成って行きます。このドレニスカ地方(地図B3−C3) では、凝灰岩が両岸に段をつくり、無人の水車小屋があちこちに見られる、ゆったりとした流れのクルカ川(地図C3)が広がります。 この一帯の中心地はノヴォメスト地図C3)という町です。
 この南東のゴリヤンツィの山稜(地図C3)には葡萄畑が入り込むブナの森が広がり、南斜面を経てベラ・クライナ地方(地図C4)の樺の森へと続きます。 この地方の中心地はメトリーカ地図C4)です。
 スロヴェニアのちょうど真ん中にサヴァ川が流れています。この川はスロヴェニアをちょうど半分に仕切る位置にあり、幾つかの鉱工業の町 の横を通って狭い谷を流れ、ブレジツェ地図C3)付近でパンノニア低地に流れ出ます。出た所にはクロアチアの首都ザグレブ(地図D3)が有ります。
 北の国境近くにはポポリエの山々(地図C2)があり、ここに続く峰峰は地質学的にはアルプス山脈と同じであるが、その形は丸く森林に覆われ、アルプスの石灰岩質の鋭い光景とは対照的です。 ポポリエの山々の周辺には、スロヴェニアで二番目に大きい都市マリボール地図C1)があり、他にスロヴェーニ・グラーデッツ地図C2)、 ヴェレニエ地図C2)、ツェリエ地図C2)の町があります。


 コズィヤンスコ(地図C3)とハロゼ(地図C2−D2)は、スロヴェニアの中ではまだ観光客があまり訪れない地域です。この地域のドラヴァ川を横切る古い交通路に沿って 、ローマ時代にさかのぼるスロヴェニア最古の町プトゥイ地図D2)があります。プトゥイよりドラヴァ川を下ると パンノニア低地へと開けて行きます。
 北方のスロヴェンスケ・ゴリツェ(地図C1−D2)の丘はあます所なく耕作され、その大部分は ぶどう畑です。そしてぶどう畑の合間には小規模とはいえ数々の鉱泉があり、鉱泉の周りの赤茶色の堆積土はミネラル含有量の大さを物語っています。
 更に北方にはムーラ川が流れ、ここから北のプリクムリエ地方(地図D1)は第二次対戦中ハンガリー領で、現在はスロヴェニア内の少数民族ハンガリー人の住む地方です。 言葉はプリクムリエ方言にハンガリー語が混じっています。中心の町はムルスカ・ソボタ地図D1)で、この地方はパンノニア低地の端に あたり、広大な平地が広がっています。

 地中海から直線にして200Kmほど内陸に行く間に、カルスト地形、石灰岩のアルプス、そしてパンノニアの緩やかな地形と スロヴェニアでは実に様々な地形に出会うことができます。


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